寝室を兼ねる部屋を書こうとなったとき、ベッドは欠かせない家具の一つとなります。
くつろぐときは椅子代わりにもなりますし、ベッド一つあれば部屋らしさがグンと上がるので、必ず描けるようになっておきたい家具です。
モノは構造とサイズさえわかればとても描きやすくなるので、今回はこの2つを気にして作画をしていきたいと思います。
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ベッドの構造
まずはベッドにどのような部位があるかざっと知っておきましょう。
構造を簡単にでも把握しておくことで、絵も描きやすくなります。
ベッドには主に4ヶ所の部位があります。
- ヘッドボード
- マットレス
- ベッドフレーム(土台)
- 脚
ヘッドボードはベッドの頭の方に取り付けられる板です。装飾の意味もありますが、照明や目覚まし時計などの小物を置くスペースを設けられていることもよくあります。
ちなみに足側にも板が付くことがあります。こちらはフットボードと呼び、マットレスのズレを抑える役割がありますが、フットボードがないベッドは多くあります。
マットレスは敷布団のような役割をする部分ですね。
ベッドフレームは、マットレスを置く土台の部分になります。これに脚がつきますが、下のスペースには収納があるタイプのベッドも多くあります。
お絵かきの場合は、脚とヘッドボートがついた土台に、マットレスが置いてあると覚えれば最低限の構造は把握できていると思います。
これにあとは掛け布団と枕を描けば良いわけですね。
ベッドのサイズについて
パースを使って描くときは、もののサイズを把握してから描かないと、「思っているよりも大きいベッドになってしまった」といった事態になりがちです。
ベッドにはシングルやダブルといった、サイズの違いがあります。
<ベッドのサイズ一覧>
- シングル…横幅100cm、長さ195cm
- セミダブル…横幅120cm 、長さ195cm
- ダブル…横幅140cm、長さ195cm
- クイーンサイズ…横幅160cm、長さ195cm
- キングサイズ…横幅180cm、長さ195cm
通常、ベッドは長さは変わらず横幅のみが広くなると思っておいて大丈夫です。
幅の方は広いほうが寝返りをうったりしてもゆったり使えるわけなので、意味があります。ただ、長さの方は広くなっても人間の身長は変わらないので、あまり広くする意味がないわけです。(^^;
ただ、身長が高い人用にロングサイズのベッドというのもあり、これは大体縦幅が205cm〜215cmくらいに少し大きくなります。
ですが基本的には、ベッドの長さは195cmだと覚えておいていいと思います。
各種のサイズ感ですが、一人用のベッドだと、一般的にはシングルやセミダブルくらいのサイズのベッドであることが多いでしょう。
シングルだと一人暮らしサイズですが、セミダブルになるとよりゆったりと使えるサイズとなります。
ダブルは一人用だと贅沢なサイズになります。二人用として使うと比較的コンパクトなサイズ感になりますので、二人で広々として使いたい場合はクイーンサイズくらいがちょうどよくなります。
キングサイズにもなると、例えば夫婦と子供一人がいても寝れるサイズ感となります。
書きたいシーンや部屋に合わせて、サイズを変えていきましょう。
一点透視図法のベッドの描き方
今回は横から見たシングルベッドを、一点透視図法を使って作画してみます。
箱のアタリの取り方
まずはいつも家具を描くときと同じように、パースを使って箱を書き、全体を捉えやすくします。
※やり方が分かっている方はここを飛ばして大丈夫ですので、次の項目から見てください。
まずはアイレベルを引いていきます。
室内の視点なので、アイレベルは120cmとしています。
次に、ベッドの長さを決めていきます。(ピンクのライン)
※この時点だとまだ長さは決まらないので、とりあえず端まで線を引いてあります。
そうしたら、ピンクのラインからアイレベルまでまっすぐタテの線(下の画像の青いライン)を引いて、12分割します。
アイレベルが120cmなので、その高さまで12分割することで、10cmあたりの高さを出すことが出来ます。(1目盛りあたりのサイズが10cmに相当します)
高さが取れたら、長さも出すことが出来ます。1目盛りが10cmに相当するので、ベッドの長さが195cmなら、19.5目盛り分印をつければいいわけです。
パースは数学なので、こういう細かい部分をきちんとやっていかないと、おかしくなりがちです。
初心者のうちほどちゃんと取り組まないと身につかないので、面倒ですが測ってやってみましょう。
次に、ヘッドボードの高さを出します。といっても先程の目盛りを使えば簡単です。
ベッドのヘッドボードの高さは一般的に70~80cmくらいになります。今回は80cmにしたいと思うので、8の目盛りのところまで線を伸ばせばOKです。
次に、マットレスの高さを決めます。今回はベッドフレームを20cm、マットレスを20cmの高さにしたいと思うので、40cmの高さに線を引きます。
ここまで描けたら、アイレベル上に消失点(以下の画像の青い点)を置きます。
最初に決めても良いのですが、この段階になってから消失点を置いたほうが、見え方の調整はしやすいと思います。
今回は中心に置きたいと思います。
消失点が決まったら、奥行きの線を引いていきます。
奥行きは勘で決めるしか無いのですが、シングルベッドの横幅は100cmくらいなので、正方形半畳のバランスより少し広くなります。
ヘッドボードの奥行きも取ってあげましょう。
これで、箱型のアタリを取ることが出来ました。
ここまでできれば、あとはディテールを書いていくだけです。
私が紹介しているこの方法は面倒ではありますが、奥行き感さえ変でなければサイズは絶対におかしくならないので、家具の大きさが変になる悩みを持っている方はぜひ使ってみてください。
ディテールを書き込む・ベッドの高さについて
箱を書いたら、次にマットレスとベッドフレームの位置を決めます。
先にも書いているのですが、今回はベッドフレームを20cm、マットレスを20cmの高さにするので、ちょうど半分の位置で線を分けます。
ベッドの高さ(接地面からマットレスの上面まで)なのですが、だいたい高さ40cm前後が平均的となります。
私は作画をやりやすくするため、ベッドフレームとマットレスは半分のサイズ(20cm+20cmくらい)で分けています。笑
40cmだと洋室のイスの座面と同じくらいの高さとなるので、くつろぎやすい寸法となります。こだわりがない人にはおすすめで、年齢層も問わない高さとなります。
高さが30cm前後になるとローベッドと呼ばれる低いベッドになり、高さ50cm前後になると高さを感じるベッドとなりますね。
自分用にも、この2つのメリットとデメリットをメモしておきます。
<ローベッド(高さ30cm前後)>【メリット】
- 高さがないため圧迫感がなく、部屋が広く感じる
- 寝相が悪く、ベッドから落ちやすい人でも安心して使える
- 床に近いため、座卓を使うタイプの人と相性がいい
【デメリット】
- 足腰が悪い人には使いづらい(立ったり座ったりがつらく感じやすい)
- ほこりや汚れが舞いやすい
<高めのベッド(高さ50cm前後)>【メリット】
- 存在感と高級感を出しやすい
- ベッド下のスペースを広く取れる(掃除がしやすかったり、収納スペースが多く取れる)
- 背もたれとしても使える
【デメリット】
- 高さがある分圧迫感を与えやすい
- 寝相が悪いと落ちたときに危険
次に、フレームと脚(ベッド下のスペース)の部分の線も分けます。
私はこれも、またまた半分にしてます。笑(つまり土台部分10cm、脚部分10cm程度)
バランスがおかしくなければいいんです。(^_^;
あとは掛け布団と枕を下書きして、清書していきます。
ヘッドボードやベッドフレームには木材が使われていることが多いので、木目を書いてあげるといいですね。
ヘッドボードのデザインは色々あるので、自分の部屋のベッドを見たり、家具を販売しているサイトなどで調べてみてもいいでしょう。
木目をかくのは簡単ですが、描き方を知りたい方は以下でお願いします↓↓
⇒【漫画向け】木目の描き方!机やフローリング等の質感を簡単に表現するコツ
ベッドは大きい家具なので、部屋のスペースを結構占領すると思います。
サイズさえおかしくならなければ描けると思いますので、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
なお今回の内容は一点透視図法の部屋の描き方を補完する内容となっていますので、部屋そのものの描き方を知りたい場合は以下のページがおすすめです。
⇒一点透視図法の部屋の描き方!簡単に家具や窓を配置するには?