★このページでは木をどう描くかについて掘り下げています。
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木…って何が難しいかって言うと、葉っぱが寄り集まった集合体なので、それをどう表現したら良いのかってところですよね。
葉っぱ1枚1枚を描くわけにはいかないし(日が暮れちゃう汗)、だったらある程度の塊で表現するのが現実的ってところです。
では塊で表現する上で何を意識すれば良いのか?というところから考えてみます。
まずキャラクターでもそうであるように、ある程度単純な立体から塊を捉えます。
基本の書き方として紹介されることが多いのは、球体の集まりを書いてそこから影(光源を意識します)のアタリも出す⇒筆ペンやミリペン(デジタルなら鉛筆ツールとかでも)で陰影を表現するというものです。
手順としては、
①大中小さまざまな球体が大きい球体にくっついてるようなイメージで描く
②そして、外側の輪郭線を描く。
※↑の画像では線画だけですが、実際にはうすく影のアタリを描いておくと良いと思います
このとき、所々に内側に入る線があるとほどよく立体的になります(笑)
輪郭の書き方のコツですが、葉っぱであることをある程度意識しつつ、ウネウネと描いていけばOKです。
③そして影ですが、私は一回はっきりと輪郭を描いてからベタ、
このままでは人工物のような不自然さがあるので、
境目をミリペンなどでぼかすように点描します
④そうしたら最後にグラデーショントーンをかけます。
トーンをかけると一気に木らしくなりますね。(笑)
(まあ多少木の形がいびつでも、トーンがあれば割とそれっぽく見えます。笑)
人物も最初のうちは単純な形に分けてあげると書きやすいですが、背景も同じということですね。
まあ私も点描や立体の表現はあまり得意ではないので、
なかなかうまい例も載せられないのですが…(汗)
ですが、これだけの知識で描くと「それが一体何の木であるのか?」というのが不明瞭ですよね。
もちろん「木とわかればいい」場合や、とくにこだわりがないならこれだけで書いても良いのですが、漫画やイラストなどでは、どんな木なのかを意識することでより場面設定を深めることが出来ます。
たとえば、以下は今回の知識を踏まえて写真から描き起こしてみたケヤキの木です。
冒頭の画像ですね♪
最初の方法だと影を点描でぼかしていましたが、私は個人的な好みでハッキリした絵が好き(その方が早く描けるし笑)なので、あえて↑の絵は影をぼかさないで描いています。
(まあでも、アニメなんかもキャラクターの影ははっきり描写するし、それなら背景だって影の境目がわかりやすくてもいいんじゃないかと思っています)
影の輪郭は外側の輪郭と同じで、ウネウネ~させる感じですね。
ケヤキの木って公園なんかにも生えていたりするので、この木は公園の場面を書きたいときなんかにも使えるということになります。
ちなみに以下はトーンなしの影だけです。これだけだとチカチカするので、木はグラデーショントーンがあったほうがいいのかなと思いますね。
また季節感を意識して秋の場面であれば紅葉した木、もみじやイチョウの木を描いてみたり、というので演出もできますね♪
逆に冬に青々とした木ばかりだとちょっと違和感が出ちゃうので、枯れ木を描いてみたりとか。
(もちろん冬でも葉っぱの落ちない木はありますが)
なおここまでの木はかなり遠くに見える木(遠景)なので、幹は書き込まなくても割とそれっぽくは見えます。
ですが幹をしっかり書きたいときは、以下の点を意識するとある程度それっぽくなります。
幹はまず縦線でボコボコとした凹凸を表現しますが、木というのは円柱の形をしているんですよね。
均等に線が書いてあるものを丸めると、端のほうに寄るほど線が密集して見えます。
つまり木の幹を描くときは、端のほうにいくほど線の密度を増やせばいいということになります。
上記の絵の右側の表現だけでも木に見えますが、これに細かい横のタッチを入れることでより質感が表現できます。
まあでも、遠景だと↑ほどのタッチは入れなくてもいいかなという感じはしますね。(^^;)
木のバランスですが、あくまで「とりあえずこのバランスで書けば大きく崩れることはないよ」という比率として、
幹の部分の長さを1とし、高さが3、葉の幅が2だとそれっぽく見えます。
実際の木はすべてがこのバランスというわけでもないですし、例えば大木なんかはもっと葉の幅が広いほうがらしく見えます。
ただ、街路樹などでとくにこだわりなく木を書くときは、バランスの比率に基準があると書きやすさが大きく変わるので、覚えておくと便利です。
最初の方で、木の葉っぱはウネウネとしたカタチで書くと説明しましたが、若干近くになったら葉っぱのカタチを少しリアルにしてかき分けてみてもいいかなと思います。
なお画面にぐっと遠近感を持たせられる表現として、手前に枝葉を描写する方法があります。
↑こういった枝葉を書くポイントとしては、真っすぐではなく若干下がり気味(重力を意識する)に書くことと、葉っぱの向きを一つだけにしないことです。
(できれば奥行きも意識できるとなお良い)
人間の顔が横、正面、後ろ、後ろ斜めで見え方が違うように、葉っぱも角度によってカタチが変わります。
↑「葉っぱ」と聞くと①のイメージですが、枝についている葉っぱというのは何も①の角度だけじゃないんですよね。
- ①真上
- ②やや前から見た絵
- ③斜め後ろから見た絵
- ④斜め前から見た絵
- ⑤ヨコから見た絵
といった風に、見え方の違う葉っぱをランダムに入れてあげることで、よりリアルに見えると思います。
私の場合、大体は①で書いて、ところどころに②~⑤を入れる感じにしています。
ボリュームが足りないと思う場合は、さらに奥の方にも書いてあげましょう。
デジタルならレイヤーを複製&変形・縮小したりなどすればそこまで大変でもないかと思います。
上の葉っぱは全部手書きですけどね。^^;
とまあ、私もあまり上手な部類ではないですが、こんな風に書き分けられるよ、という例でした。
(手前の木は本当ならベタを塗る予定だったので、ちょっと変な境目がありますが気にしないでください…)
なお枝への葉っぱの付き方ですが、だいたいは以下のパターンかなと思います。
- ①枝から1枚ずつ出るタイプ
- ②枝からさらに枝分かれして葉っぱがつくタイプ
- ③節を境に出るタイプ
- ④両側揃ってるタイプ
(ちょっと①と③が分かりづらかったので、後で修正します;)
枝の先は、
- ①何もつかない
- ②葉が1枚だけつく
- ③葉が数枚つく
- ④新しい葉の出始めがつく
って感じで、まあここまで意識する必要もない気がしますが、こんなパターンもあるよ、という例です。