椅子の描き方!正面を一点透視図法(パース)で簡単に描くには?
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今回は椅子の描き方についてになります。

椅子は、洋室であるなら用意しないと生活できないレベルで必要になる家具です。

普通なら椅子がない部屋というのはあまりないと思うので、室内の作画をするなら必ず描けるようになっておかなければなりません。

 

ですが人が座って使うもののため、座面の高さなどある程度ちょうどいいと感じる寸法はあります。

そのような点をふまえて描いていけば違和感のない作画ができるようになると思います。

今回は椅子の構造や寸法の他、一点透視図法を使った実際の作画手順もまとめていきます。

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椅子の構造

冒頭でも言っていますが、椅子は人が座るものなので、当然そのカタチや寸法というのは考えて作られています。

まずは簡単に構造から知っていきましょう。構造と言ってもあまり覚える箇所は多くありません。

どんな部位があるかを、今回はシンプルなダイニングチェアを例に簡単な図にしてみますので、目を通してもらえるとこのあとの作画も説明しやすいです。

 

  1. 背もたれ
  2. 座面
  3. 幕板(まくいた)
  4. 貫(ぬき)

椅子の部位名称は、ほぼ机と同じですね。

机(部屋の机)の描き方!正面を一点透視図法で描くには?【パース】

 

1~3はあまり説明をしなくてもすぐに分かると思います。4・5の幕板と貫はデザイン的な意味合いもありますが、家具の強度を強くするという意味でも取り付けられます。

貫は脚同士をつなぐパーツですが、椅子の場合は4面につけられたり、側面だけだったりと、ものによって様々です。

椅子の場合はデザインによってこの幕板と貫がないものも多くあるので、あくまでこういうパーツもあるよ、という参考にしてください。

 

大体この5つを部位として覚えてしまえば、どんな椅子でも基本は同じなので(一部の部位がなかったりする程度)、ぜひ覚えておきましょう。

また、これに肘掛けがあるイスもよくありますので、好みでつけるといいですね。

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背もたれの傾きについて

パースを使って椅子を描くと、背もたれが90度のままというのをやりがちです。

以下の図の左側のようなイメージですね。

 

実際にお家にある椅子を見てほしいのですが、普通背もたれというのは少し後ろに反るように作られているはずです。

座面から背もたれの一番上まで、まっすぐ垂直に90度!という椅子は普通ないと思います。

 

なんでかっていうと、背もたれが90度のままだと背中が痛くなっちゃうからですね。リラックスできませんし、デスクワークで長時間使うならそんな椅子は避けたいですよね。(^_^;)

椅子に限らず家具などの人工物というのは人が使うことを考えて作られていますので、「それがどうしてそのカタチをしているのか」という理由を知ると、描きやすくなります。

 

作画をするときも、できれば背もたれというのは少し傾いていることを意識して描けるとより良いと言えます。

また足が4本あるタイプの椅子は、後ろ足も背もたれとのバランスを取るために少し傾く(図参照)ので、この部分もいっしょに覚えておくと良いですね。

90度で書いても椅子には見えるので、慣れない内は垂直でもいいですが、パースに慣れてきたら背もたれの傾きを意識してみてください。

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正面の椅子の描き方と寸法

次に実際に↑の正面の椅子を一点透視図法で描いて行ってみます。

その前に椅子の寸法なのですが、今回は以下のサイズで作画をしていきます。

<椅子の寸法>

  • 幅…40cm
  • 高さ…80cm(座面まで40cm程)
  • 奥行き…50cm程

 

固定されている一般的な椅子の座面は、40cmより少し高いくらい(42cm~43cmくらい?)になります。

だた、私は作画するときの数ミリは誤差だと思っているので、アバウトに40cmくらいで描くと決めています。(笑)

奥行きですが、ダイニングチェアであれば50cm~60cm弱くらいであることがほとんどです。デスクチェアだと70cm近くになりますかね。

 

幅や背もたれの高さに関しては椅子によって変わるかな~という感じです。例えばパソコンチェアみたいな大きい椅子だと、全体的にダイニングチェアより寸法が大きくなります。

ダイニングチェアは最も基本的な椅子の形・寸法だと思うので、これ一つ書ければあとは大きくしたり調整して描けばいいでしょう。

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箱のアタリの描き方

まずは全体を捉えやすくするため、パースを使って箱型のアタリを描いていきましょう。

↓みたいな感じですね。

※すでに箱のアタリを取れる方で、説明はいらないよ、という方はここは飛ばしてしまってください。

 

このページでは実際の作画手順の説明をするので、アイレベルや消失点の基礎概要の説明は省きます。

全くの初心者の方は、パースの基本の説明は以下でしていますので、まずはこちらに目を通しておいてください。

 


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まずはアイレベルから引いていきましょう。室内の視点とするので、アイレベルは120cmとしています。

 

最初に接地面から描いていきます。好きな位置にアイレベルと平行な線を引きます。

 

次に、好きな位置に引いた線(画像のピンクのライン)からアイレベルまで垂直な線を引きます。(青いライン)


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今回はアイレベルが120cmなので、この青いラインを12分割して、10cmあたりの長さを出します。

アイレベル上にあるものはすべて同じ高さになるという法則があるので、アイレベルというのは使えるようになると非常に便利です。

たとえばアイレベルが120cmなら、その半分の高さは60cmになるわけです。

私はより正確なサイズで書きたいので、練習をするときは↑の画像みたいに細かく分割して、サイズ狂いを避けるようにしています。(笑)

 

少し脱線したので、説明に戻ります。(^_^;

椅子の幅は今回40cmで描いていきます。青いラインの4目盛り分と同じ長さで、ピンクのラインにも印をつけます。

1目盛りあたりが10cmに相当するので、4目盛り分なわけですね。

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次に、背もたれの高さまで線を引きます。

背もたれは高さ80cmなので、青いラインの8の目盛りまで線を伸ばせばOKです。

 

同じようにして、座面の位置も引いてしまいます。

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座面は40cm程なので、4のところからラインを引きます。

あとは奥行きを取っていきます。消失点に向かう線ですね。

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今回はダイニングチェアで奥行きは50cm程になりますが、パースの奥行きは勘なので、こればかりは感覚でひくしか無いですね。

奥行きを決めるとき、おすすめは接地面から決めていくことです。

 


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なぜかというと接地面から決めてしまえば、あとは奥の線から上に線を伸ばしていくことで、座面などの奥行きも自然と決まるからです。

 

上面から奥行きを決めることもできますが、それだと「接地面が想像より広くなってしまった」みたいなことが起こってしまうことがあります。(やってみるとわかると思います。笑)

パースを使うと、アイレベルから高さが遠くなる面ほど広く見えます。接地面はアイレベルから一番遠い面なわけなので、ここから決めることで見え方がおかしくなる問題を避けることができるのです。

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箱が作れたら、あとは不要な線を整理してイスの形を作りましょう。

次に、ディテールを書き込んでいきます。

ディテールと清書

ディテールと言っても、箱が描けていれば、ほぼアタリに沿って線を引いていくことで完成していきます。

まずは座面と前脚のラインを引きます。

イスはデザインが色々なので、どのくらいの厚み・太さで描けばいいかというのは正直説明しづらいです。(^_^;

ただ、今回はスタンダードなダイニングチェアにしたいので、脚や座面はそこまで太くしないように気をつけています。

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次に、背もたれの線を書きます。

先に背もたれには傾斜があることを説明しましたが、正面構図だとアタリのまま真っ直ぐ描いちゃっても違和感は出ないと思います。

私は一応微妙に奥行きをつけますが、正直言ってここまでしなくてもいいと思います。笑

 

背もたれのデザインなんかはモノによるので、家のイスや家具の販売サイトなんかを見ながら、練習してみると良いですね。

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背中を預ける部分は外側に湾曲していることがほとんどだと思います。

あとは後ろ足も書き忘れていたので、追加します。

 

幕板も座面の下に書きます。

 

 


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立体感を出すため、奥行きのラインも書きます。

真正面の構図であると、脚の奥行きラインなんかは微妙にしか見えないので、正直描かなくてもそれっぽくはなるかもしれませんね。笑

イスの場合、貫はあってもなくてもいいと思うので、お好みで追加してください。

座面は脚より少しはみ出すように描くといいかなと思います。(あとは下書きをなぞって清書しただけです)

 

ちゃんとアイレベルや寸法を考えて描けば誰でもできるはずなので、ぜひ練習していきましょう。

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