【背景】パースとは?絵での書き方と基本の種類まとめ【パースペクティブ】
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サイトのパース関連コンテンツが増えてきたので、今回はそれらのまとめページとなります。

漫画やイラストなど、絵の背景を学び始めると、必ずと言っていいほど「パース」という用語に出くわすことになります。

 

ではなぜ絵の背景にパースを使うのか?そもそもパースとはなんなのか?

理屈もキャラを練習するのとは全然違っていますし、勉強するのを後回しにしがちな部分ではないかな?と思います。

 

元々私もパースには苦手意識があって、理解するのにしばらくかかったのですが、段々とわかってきて、サイトでページを作成することくらいはできるようになりました。

私もまだまだで、普段から絵の勉強を続けている身ではありますが、今回まとめるコンテンツが少しでも皆様の参考になれたら幸いです。

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【最初に】パースとはなんなのか?なぜ絵に使うの?

絵で言うパースは、背景をより実際の見え方に近い描き方をするための技法のことを指しています。

 

例えば、上の画像のようにすべての辺が同じ長さの立方体があったとしましょう。

ですが、実際の人間のモノの見え方というのは、奥にいくほど狭くなり、手前になるほど広く見える、という特徴があります。

そのため、立方体のようにたとえすべての辺が同じ長さの物体があったとしても、人間の見え方では「すべてが同じ長さに見える」ということはまず無いのです。

この見え方により近い画面を、紙の上で表現する技法を、パースと呼んでいるのです。

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絵で使えるパースの種類と基礎知識

パースには消失点の数によって一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法の3つに分けられます。

ですが、これを知る前にアイレベルと消失点について学んでおかないと入れません。

 

個人的に勉強した方がいい順番としては、

  1. アイレベル・消失点
  2. 一点透視図法
  3. 二点透視図法
  4. 三点透視図法

だと思っています。

一点透視図法・二点透視図法・三点透視図法は、それぞれ順番に消失点が増えるので、難易度もひとつずつ上がるイメージです。汗

 

ここでは学んでほしい順番にコンテンツを紹介しますので、ぜひご覧になってください。

アイレベル

まず知っておいてほしいのは視点の高さ、つまり「アイレベル」についてです。

アイレベルとは、一言でいうと地面から目の高さまでのことを指しています。

絵で背景を描くなら、ほぼ毎回使う基礎知識なので、必ず理解する必要があります

アイレベルとは何?【パース,背景】

 


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アイレベルを理解するのにすぐ試せる方法として、例えばあなたが身長170cmであれば、立ち上がったときのその視点の高さ(アイレベル)は160cmくらいとなります。

(大体身長-10cmくらいが自分が立ったときのアイレベルの目安です。身長160cmなら150cmくらいがアイレベルとなります)

このアイレベルを、絵にも同じように設定してパースを書いていくことになります。

 

例えば立ち上がっている視点で背景を描くなら160cmや150cmくらいで描けますが、座っている視点なら120cmくらいに設定することもあります。

外では立っている事が多いので160cm~150cmくらいで設定すると自然になりますが、室内なら座っている事が多いので、120cmくらいに設定するのが通常となります。

消失点

アイレベルと同じくらいの重要度で理解する必要があるのが、消失点になります。

これは、簡単に言えばモノの見える終点のことで、基本的にはアイレベル上に設定します。(三点透視図法や坂道のパースなど例外もあり)

この消失点を置くことで、簡単に「近くのものは広く、奥のものは狭く」という見え方を表現することができるので、パースにおいてはかなり重要(というより必須)な要素となっています。

消失点とは何?見つけ方は?【背景,パース】


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一点透視図法

アイレベルと消失点についてある程度わかったら、まず一点透視図法から触れていきましょう。

一点透視図法とは、消失点を一つだけ設定して描写する方法です。

パースの消失点に向かう要素は、主に「高さ」「奥行き」「横幅」の3つとなりますが、一点透視図法はこの中で「奥行き」にのみ遠近がつく技法となります。

一点透視図法とは?消失点や構図の決め方は?【背景,パース】

 

一点透視図法は高さと横幅に遠近がつかないので、この2つは垂直・平行に描写していくことになります。

 

二点透視図法

一点透視図法に触れたら、次に二点透視図法を学んでいきましょう。

二点透視図法は、一点透視図法から消失点がひとつ増えて、2つになります。

立体を構成する3つの要素のうち、二点透視図法は「横幅」と「奥行き」を消失点に向かうように描写していくことになります。

二点透視図法とは?どんな書き方をすればいいの?【立方体で説明】

 

消失点がひとつ増えることで、どの線がどちらの消失点に向かうかに最初は迷いやすいので、注意しながら描写していきましょう。

二点透視図法だと「高さ」には遠近がつかないので、垂直に描くことになります。

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三点透視図法

 

最後に、三点透視図法についてです。

三点透視図法は消失点が3つに増えて、「高さ」「奥行き」「横幅」のすべてが消失点に向かうことになります。

三点透視図法とは?書き方を立方体で説明【俯瞰・アオリ】

 

消失点の数が増えますし、さらに高さの消失点は上下に付くので、難易度も手間も一点透視図法・二点透視図法と比べて増えます。

ただ、二点透視図法までできれば、三点透視図法は使えなくても意外とごまかしが効くため、他の要素をきちんと理解できてからでもいいです。

フカンやアオリといった勢いがつく構図を使えるようになるため、パースの理解が深まってきたら挑戦するようにしましょう。

 

プラスアルファで知っておきたいパースの知識

ここまでの内容ができていれば、ほぼほぼ背景は描けてくるのではないかと思います。

ただ実際に作画をしていくと、坂道や階段など、基礎知識だけでは対処できない要素が出てくることがあります。

 

ここでは、そういった基礎にプラスする知識を紹介します。

パースに触れたばかりの方がここを見ると混乱してしまうと思うので、アイレベル~三点透視図法まである程度の理解ができたら、お読みください。

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カーブ

道や曲がった廊下などを書きたいときがあると思います。

これをパースをつけながら表現するには、消失点の数を増やしていく必要があります。

 

例えば一点透視図法では消失点はひとつだけと先に説明しましたが、カーブでは独自の消失点が生まれます。

なので、一点透視図法でもカーブを描きたいなら消失点が追加されることになります。

曲がった道(カーブ)の描き方と消失点の取り方【パースと背景の書き方】

坂道

坂道や傾斜のある道などで、パースを使う場合の書き方となります。

坂道では最初の消失点の上下に消失点が追加されることになります。

坂道のパースと描き方!消失点の決め方は?


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階段

階段は見た目からして難しそうな印象を持ちますね。

実際手順が多くて私もしばらく書いていないと忘れるくらいなんですけど(汗)、ちゃんとやり方はあります。

 

以下のページでは階段を描くときに必要な寸法と、蹴上げの高さを利用したパースの書き方をまとめています。

階段のパースは手間がかかるので、気力が必要となりますが、がんばって書いていきましょう。

階段の書き方とパースの基本!正面や斜め、横からの描き方は?

 

なお、坂道のパースと少し関連していますので、先に傾斜のパースの取り方を見てもらってもいいですね。(一応、上記のページだけでも書けるとは思いますが)

奥行きの決め方

パースを学んでいくと、奥行きをどのように取ればいいのか、という部分にぶつかることがあります。

以下は自己流ではありますが、私が使っている奥行きの取り方・方法です。基本的にパースの奥行きは勘と言われますので、参考までにご覧ください。

パースの奥行きの決め方や取り方!正しい寸法で書くための方法は?【奥行きの書き方】

 


 

背景はキャラを引き立たせる記号のようなものですが、歪んでいたりすると流石にすぐわかってしまいます。

その歪みを直してくれるのがパースだと思っています。少しづつでいいので、手順を踏みながら練習を続けて行きましょう。

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