前に通常の一点透視図法で部屋の作画をしたので、今回は上から見たときの部屋を一点透視で描く方法についてまとめていきたいと思います。
上から、ということは部屋を見下ろす視点(フカン構図)ということになります。
しかし、フカン構図の一点透視図法の使い方なんて言うのは技法書なんかでもあまり説明されてなかったりします。
なので今回は、そのあたりを補完する内容として詳しく書けたらと思い、前回に続き6畳の洋室の部屋を例として描いて行ってみます。
お絵かきが好きな方にはもちろん、お部屋を描く必要がある課題なんかにも役立つ内容だと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは簡単な間取りを用意しよう
前回の部屋と同じ間取りを使っていきます。
といってもこのサイトで紹介する間取りというのは、家具や窓の位置とサイズさえ分かればいい簡単なものなので、専門的な知識がなくても、誰でもすぐ書けるものとなっています。
正方形1マスを半畳(90cm×90cm)として、2マスで1畳なので、6畳なら12マスあることになります。
1マスが90cmとわかっているので、家具もサイズさえわかればそれに合わせて置いて行けばいいだけです。
詳しいことは前のページを見ていただけたらと思います↓↓
⇒一点透視図法の部屋の描き方!簡単に家具や窓を配置するには?
ではこの間取りを使って、上から見た一点透視図法の部屋を描いて行ってみます。
上から見た部屋を一点透視図法で描くには?
上から見た部屋を書く場合、先に書いた間取りをそのまま下書きとして使うことが出来ます。
(無地の紙でも書けますが、方眼紙に描いていったほうがスムーズに書けるので、できれば用意してほしいですね)
今回は部屋の4面を見渡せるような構図にしたいため、間取りの中心に消失点を設定します。
今回は一点透視図法です。一点透視図法とは、立体を構成する「高さ」「奥行き」「横幅」のうち、どれかひとつが消失点へと集まる描写方法となります。
上から見ている視点の場合、「高さ」に遠近がつくことになるので、このページでの作画の場合、「奥行き」や「横幅」は平行・垂直なラインで描いていきます。
一点透視図法の基本については以下でお願いしますね~
⇒一点透視図法とは?消失点や構図の決め方は?【背景,パース】
消失点を設定したら、前回もやったように、四隅とマス目の分割ラインを延長します。
ここのラインはすべて遠近がつく「高さ」のラインとなるので、すべて消失点へ向かうように引いていきましょう。
そうしたら、天井の高さも決めていきます。(画像の青いライン)
この部屋の天井は240cmなので、1マスを90cmとして、2マス+半分くらいの高さの線を引きます。
何やら複雑に見えますが、ただ遠近が高さについているだけなので、前回のようにマス目を気にしていれば書けるはずです。
これでもう部屋の空間は完成しちゃいます。
家具の配置を表示してみるとこんな感じになるので、あとは上にラインを立ち上げて家具を描いていくだけです。
高さの線を描くときは、消失点から伸ばしていくようにしましょう。
なお、マス目にバッテンを描いて中心をとれば、半分の位置(つまりこれだと45cmの位置)を簡単に出せるので、家具の高さの遠近感がイマイチわからないときはこうするといいですね。
高さを気にしながらかけば、アタリの出来上がりです。
なお、最初も言いましたが、今回は高さ以外のラインは垂直・平行になるので注意です。
例えばベッドなら以下の赤いラインのように、遠近がつかない部分はまっすぐ描写します。
なお、前回と同じですが、家具と窓等の寸法は以下で描いています。
寸法は決めておくと便利です。若干ならズレてもおかしくならないので、描くときは目安程度に使えばOK。
自分でも忘れるのでメモ。汗
<家具>
- ベッド(シングル)…幅100cm、長さ195cm、高さ80cm(ヘッドボードまで)
- ベッドサイドテーブル…幅40cm、奥行き35cm、高さ50cm
- 机…幅90cm、奥行き45cm、高さ70cm
- 椅子…幅40cm、奥行き40cm、高さ80cm(座面まで40cm)
- 本棚…幅70cm、奥行き30cm、高さ100cm
<窓など>
- ドア…幅80cm、高さ200cm
- 窓…幅180cm、高さ130cm
- 収納…幅180cm、高さ200cm、奥行き90cm
(これは個人的にそう思うだけなんですが、マス目を使って描写するなら、90cmや45cmを目安に家具のサイズを決めると書きやすいです。笑)
高さのアタリまで出来たなら、あとは清書していくだけです。
↑ベースはこれで完成です。
これにサイドテーブルに目覚まし時計を置いたり、机にデスクライト、本や文房具などを描いていけば生活感が出そうですね♪
家具や建具の知識・構造についてはここでは描ききれませんので、触れませんが、この方法を使えば家具の配置まではできるはずです。
最初は時間がかかるかもしれませんが、マス目があることで何もなしよりは配置がしやすくなっていると思います。ぜひ試してみてください。
なお、今回は部屋の4面を見渡せるようにと消失点を内側に設定しましたが、以下のように外側に置いても描くことは出来ます。
※下側にある青い点が消失点です。
ただ、部屋の1面見えない部分は出てくるので、室内の設定を決めたいときとかはまず4面見えるように描いたほうがいいかもしれませんね。
なお、上からではなく通常の視点から部屋を描きたいときは、以下のページでやり方をまとめています。
⇒一点透視図法の部屋の描き方!簡単に家具や窓を配置するには?
また、透視図法は基本に対しての理解が不十分だと難しくなってしまいます。パースイマイチわかっていないな~と感じる方はまず基本を見直してみましょう。
⇒一点透視図法とは?消失点や構図の決め方は?【背景,パース】