階段の書き方とパースの基本!正面や斜め、横からの描き方は?
Pocket

今回は階段のパースの基本についてになります。

基本と言いますが、一点透視図法やアイレベルなどを理解した上でないと、階段のパースは難しいです。

実は私も階段のパースは苦手なのですが(結構練習してるのに、階段のパースはすることが多いため忘れがち。汗)、だからこそここでアウトプットして、自分用にも役立てたいと思っています。笑

 

アイレベルや一点透視図法など、パースの基本がわかっていないと階段のパースは混乱してしまいがちです。

なので今回の内容はパースに関してある程度触れたことがある人、若干の理解ができている人向けなので、全くのパース初心者ということであればまず以下のページから見ていってください。

それでは、パースに関して説明する前に、階段を書く上でまずは知っておいた方がいい4つの「寸法」について触れていきましょう。

スポンサーリンク

まずは階段の寸法を知る

 

  1. 踏面…階段の足を乗せる部分
  2. 蹴上げ…階段の1段ごとの高さ
  3. 有効幅…階段の横幅の長さ
  4. 勾配…傾斜の角度のこと

建築物すべてに言えることですが、階段は人が使うことを想定して作られているので、基準があります。

一見、絵とは関係がないものに思えますが、何も知識がないと急激な階段や段差が高すぎる階段など、明らかにおかしいものを描いてしまう可能性もあるので、知っておきましょう。

踏面

踏面は階段をのぼるとき、足を乗せる部分になります。

パースには主に3つの構成要素(横幅、奥行き、高さ)がありますが、踏面は奥行きに相当する部分になるかと思います。

 

建築基準法では、この踏み面は15cm以上と定められています。

短すぎると足が載せられないので、15cmは最低限確保してねってことですね。

一般的に登りやすいとされている踏面は20cm~22cm程度と言われます。

スポンサーリンク

蹴上げ

蹴上げは、階段1段あたりの高さのことを指しています。

パースの3つの構成要素なら、そのまんま高さに相当するかなと思います。

 

建築基準法での蹴上げは23cm以下と定められています。

高すぎると登れなかったり、足をひっかけて転んだりするリスクがあるので、23cmより高くしないでねってことですね。

登りやすい蹴上げの高さは1段あたり18cm~20cm程度と言われます。

有効幅

有効幅はそのまま階段の幅のことで、パースの3つの構成要素なら横幅に当たりますね。

建築基準法では有効幅は75cm以上と定められています。狭すぎると人が通れないので、最低限の広さを定めているわけですね。

一般住宅なら有効幅が75cm程度のこともありますが、公共施設なんかだとすれ違えるようにもっと広くなるでしょうね~。

スポンサーリンク

勾配

勾配は階段の角度のことです。これが急激になると登るのがキツイ階段になるわけですね。

間取りなどの様々な都合で40~45度くらいになる場合が多いですが、登りやすいと感じるのは30~35度くらいとされます。

勾配のパースは基本の3つ(横幅、奥行き、高さ)には当てはまらず、坂道のパースとなります。

坂道のパースと描き方!消失点の決め方は?

階段のパースと描き方

では、実際にパースを使って階段を描いてみます。

最初に一点透視図法を使って斜めから見た階段(上の画像)を描いていきますが、その他の角度はこの後に続けます。

 

スポンサーリンク

 

先に階段の寸法4つまとめましたが、4つの中で今回実際に使う数値としては蹴上げだけになります。

(その他の寸法に関しては、階段の基本のパースの練習では使わなくても大丈夫ですが、実際の作画のときに役に立つので覚えておきましょう。)

 

まずはアイレベルを引き、消失点を決めます。今回、アイレベルの高さを1500mm(150cm)とします。

次に、階段の接地面を描きます。(奥行きのラインが消失点に向かいます。)

 

練習なので、奥行きの長さはあまり深く考えなくて大丈夫です。

ただ、この奥行きが短すぎると勾配が急な階段になりがちなので、できればある程度の長さを確保してあげるとよりグッドです。

有効幅は、階段としておかしく見えない幅があればOKです。

 

スポンサーリンク

 

接地面が描けたら、次に階段の後ろ側(つまり高さ)のラインを引きます。

 

高い階段ほど勾配が急になりやすいです。なので高さのある階段を描きたいなら、先の奥行きの長さをより長く確保してあげる必要があります。

ちなみに階段の踊り場ですが、高さ4m以内ごとに必要になります。

 

高さのラインが引けたら、すべり台の形になるように線をつなげます。

 

これはとくに説明しなくても大丈夫かなと思います。

 

スポンサーリンク

 

パースの基本なんですが、アイレベル上にあるものはすべて同じ高さになるという法則があります。

 

今回は、これと蹴上げの高さを利用して階段を描いてみます。

例えば、蹴上げの高さが1段あたり150mm(15cm)なら、今回の例だとアイレベルより下の段数は10段程度になるはずです。(150(cm)÷15(cm)=10)

 

それなら、アイレベルより下の位置を定規などで測って10分割すればいいわけですね。

例えばアイレベルより下を10分割して、1目盛りあたり1cmだったら、アイレベルより上も1段あたり1cmにすればいいわけです。

 

 

私はアナログで測りながら書いたのでちょっとズレてますが(階段パースが苦手な理由は数ミリの誤差でズレが生じること汗)、みなさんはぴっちり書いてみてください。(^_^;

 

スポンサーリンク

 

そうしたら、消失点と目盛りを繋げて階段の側面にラインを引きましょう。

 

側面のラインが引けたら、次に手前の傾斜のところにも、真横に線を引いていってください。

段差の目安の線となります。

 

スポンサーリンク

 

次に側面のラインから、真下に線を引きます。(説明しづらいので図を見てください…。)

 

これが蹴上げの線になるわけです。

なんとなく階段ができてきそうになりましたね。笑

 

ここまで出来たら、一番下から段差を書いていきます。

 

 

あとはこれを繰り返すだけですね。

 

スポンサーリンク

 

踏み面のラインは奥行きとなりますので、消失点と繋げながら書くこともできます。

 

なお、消失点より上になると、踏み面は見えません。書くのが少しラクになります。笑

 


スポンサーリンク

 

あとは清書すればOKです。

 

なお、先にちらっと言っていますが、勾配(傾斜)のパースは坂道のものとなり、最初の消失点の上に新しい消失点ができるようになります。

ただ、今回の方法だと勾配の消失点はあまり気にしなくても書けるものとなっていますので、知っておくだけで十分です。

スポンサーリンク

正面の階段の描き方とパース

次に正面の階段を書いてみますが、角度が変わっても基本はほとんど同じになります。

まずはアイレベルと消失点を置きましょう。

斜めのときと同じように、アイレベルは150cmとします。

スポンサーリンク

 

そうしたら階段の接地面と、高さを書きましょう。

 

 

 

蹴上げの高さを1段150mm(15cm)にするなら、またアイレベルより下を10等分します。アイレベルより上も1目盛りあたりを同じ長さで分ければOKです。

まーたちょっとズレた…(´-ω-)

スポンサーリンク

 

次に、目盛りをつけたところから平行に線を引きます。

 

 

ここまで出来たら、てっぺんと手前の角を繋いですべり台型にします。


スポンサーリンク

 

次に消失点から、先程平行に引いた紫のラインとを繋いで、側面のラインを書きます。

正面だとこれがちょっとやりづらいんですが、上の画像の赤い丸のとこと、消失点をつなぐんですね。

スポンサーリンク

 

一段目が引けたら、二段目も同じ引いていきます。

 


スポンサーリンク

 

これを両側、すべての段で行っていきます。

 

そうしたら、一番下の段から、蹴上げのラインを書いていきます。

正面だとこれが見づらいんですが、青い丸の線がぶつかっているところからラインをおろします。

 


スポンサーリンク

 

あとは平行に段差のラインを書いて、逆側も同じ用に線を引いていきましょう。

右側の上から4つ目、側面のラインが消えてますが気にしないでください(;´∀`)


スポンサーリンク

 

あとはこれを繰り返していきます。

 


スポンサーリンク

 

なお、斜めのときと同じように、先に蹴上げのラインだけ全て書いておいてもOKです。

正面は線が重なりがちで大変ですが、すべての段行っていきましょう。

斜めと同じで、アイレベルより上の踏み面は見えないです。

スポンサーリンク

横から見た階段の描き方とパース

次に、横から見た階段の描き方です。

といってもやはり基本は斜め、正面とほぼ同じになります。

 

まずはアイレベル、消失点を置きます。アイレベルは150cmとします。

 

そうしたら、階段の接地面を書きます。

 

横から見た階段は、横幅(有効幅)のラインが消失点に向かうことに注意です。

スポンサーリンク

 

そうしたら高さのラインを引いて、三角形のカタチを作ります。

 

 

横からだと勾配を決めることができるので、分度器で測ってから高さを決めても良いかもしれません。


スポンサーリンク

 

高さを決めたら、すべり台型にしていきましょう。

 

あとはまた、蹴上げを1段あたり15cmとして、高さの線に目盛りをつけていきましょう。


スポンサーリンク

 

目盛りをつけたら、それぞれの目盛りから平行に線を引いていきます。

側面の線とぶつかったところから、蹴上げのラインを引いていきます。


スポンサーリンク

 

ここまでできれば、あとは一番下の段から段差をどんどん書いていきましょう。

 


スポンサーリンク

 

何度も言ってますが、アイレベルから上になると踏み面は見えないので、作画がラクですね♪笑

すべての段がかけたら、清書しましょう。


スポンサーリンク

二点透視図法でも基本のやり方は同じ

一点透視図法ではなく、二点透視図法で階段を書きたいという場合でも、基本のやり方は同じになります。

アイレベルを基準に蹴上げの高さの目盛りをつけて、書いていくという部分ですね。

 

階段の接地面を書いてすべり台型を書き、高さのラインに目盛りをつけます。

 

 


スポンサーリンク

 

あとは側面のラインをひいて蹴上げの高さの線も書き、

 

段差を書いていけばOKです。

 

 

結局、二点透視図法というのは消失点が一つ増えただけです。

ここで迷ってしまう場合は、どのラインがどの消失点に向かうか、という透視図法の基本がまだ飲み込めていないのだと思うので、まだ階段のパースをやるのは早いかもしれませんね。

なお冒頭で二点透視図法のリンクを貼っていなかったので、この点の基本は以下でお願いします↓↓

二点透視図法とは?どんな書き方をすればいいの?【立方体で説明】

 


スポンサーリンク

 

応用して、後ろ斜めの階段なんかも描けますので、慣れたら練習してみてもいいですね。

 


スポンサーリンク

上から見た階段を描くには?

私は結構いろんな技法書などを読んでいますが、上から見た階段というのはどれにもやり方が載っていないんですよね。

(上の画像みたいな感じのやつの描き方)

 

なので今回は完全に自己流ですが、上から見た階段の描き方もまとめたいと思います。

正直これは自分でも考案中なので、参考までにご覧くださいね。

 

まずは消失点と四角形を書きます。


スポンサーリンク

 

そしたら消失点から、下側の両角に向けてラインを引きます。

 

 

任意の場所で線を閉じます。

 

余分な線を消して整理します。


スポンサーリンク

 

そしたら線をつないですべり台型にします。

 

ここから分割法を使って、手前の四角形を段差に分けていきます。

対面の角をそれぞれ繋いで、半分に分けます。

 

 


スポンサーリンク

 

2つの四角形ができると思いますので、この四角形をまた分割法を使って、それぞれ同じ数に分けていきます。

段差としておかしくない数であればいいかなと思います。(これはちょっと細かすぎたかもですが)

スポンサーリンク

 

任意の数に分けたら、先程すべり台のカタチにしたラインを、延長してもう一つの消失点を出します。


スポンサーリンク

 

そうしたら、分割法を使って引いた平行な線の端から、それぞれ上部の消失点に向かうように線を引いていきます。

これを両側行ってください。

スポンサーリンク

 

次に、分割法で出した線の上をなぞり、すべり台のラインの上まで延長します。

 

 

すべり台のところまで引けたら、今度は線がぶつかるまで垂直に線を書きます。(両側)

 


スポンサーリンク

 

二段目以降なのですが、また分割法で引いたラインの上をなぞり、線がぶつかるまで少しはみ出して引きます。(説明しづらいので図をみてください汗)

そうしたら、また垂直に線を引きます。


スポンサーリンク

 

あとは段差が終わるまで、これを繰り返すだけです。

 

手前は踊り場などになるのかなという感じです。

 

 

実際の階段の見え方を確認すると、上から見た階段というのは踏み面は見えますが、蹴上げは見えないので、↑みたいになるはずなんですよね。

自宅や外で、階段を実際に見てみると良いと思います。

本来なら、下り坂の消失点は最初の消失点の上ではなく下にあるはずなんですけど、これでも一応は書けるので、私は使ってみています。


 

今回は自分が忘れたときにも思い出せるようにかなり細かくまとめたので、参考になるといいですね。このページ完成させるのに3日かかった

階段は消失点、アイレベル、一点(または二点・三点)透視図法、坂道と、パースの知識が結構必要になるので、正直透視図法の初心者が最初に勉強するものではないです。汗

 

パースは手順を踏んで勉強しないと投げがちなので、まずは冒頭で言ったようなものから学んでいくといいですね。

スポンサーリンク
Pocket