前回は人物のフカンについてまとめたので、今回はアオリ(キャラやモノを下から見上げた構図)について書いていきたいと思います。
アオリは威圧感や勢いを表現するのに最適な構図となりますが、フカン同様に身体や顔のパーツのバランスが通常の視点と比べて変わってしまうため、最初のうちだとなかなか上手にかけない人が多くいると思います。
なので今回は「これを踏まえればアオリがそれっぽく見える」、というできるだけ簡単なポイントをまとめていきたいと思います。
※なお、今回のページは前回の内容をある程度踏まえた上で書いているので、できれば先に「俯瞰の描き方!全身や顔を簡単に描く方法や練習の仕方は?」をご覧になった上で見ていただけるとより良いかと思います。
Contents
全身のアオリの描き方
以下はポーズ集を見て書いたアオリの立ち絵です。
冒頭で説明したように、アオリというのは下から見上げた構図の絵になります。
そのため、下にある部位ほど大きく見え、上にあるパーツほど小さく見えます。
要は視点に近い部分ほど大きく見えるということになりますね。
アオリでは、足⇒胴体の順に広く大きく見え、頭部は小さく見える傾向があります。
なので、アオリをそれらしく見えるように書きたいときは、足が少し長く見えるような描き方をすると、なんとなくですがアオリっぽくはなります。笑
具体的にはフカン構図の逆で、「股の位置を中央より少し上げる」のがポイントですね。
この全身絵だと、ポーズ集の写真ではおそらく膝(アバウトですが下半身のどこか)あたりに視点(カメラの位置)があるように思えたので、
前回のフカンと比べると、そこまで露骨に中心部分が寄っているわけでもないのかなという感じですね。
アオリは中心(股)の位置を上げるほどダイナミックで急激な構図になります。
~アオリの身体を簡単にそれっぽく描くポイント~
- 下にある部位ほど大きく、上にあるパーツほど小さく描く
- 股部分(身体の中央部分)を少し上げる
ちなみに技法書などの例によくある足の裏が見えているようなアオリ構図は、カメラの位置が足元より下にあるということになりますね。
つまりは被写体になる人より撮影する人(カメラ)のほうが下の方にいることになります。
例えば普通の立ち姿の人を足の裏が見える位置で撮るってなると、撮影する人は地面に埋まってることになっちゃうので、普通ならありえないですね笑
アイレベルに関して理解が深まれば、わかるようになると思います。
本来なら人の体にもパースはあります。
背景ほど厳密に気にする必要はありませんし、私も人物の練習をするときはパースはなんとなくしか意識してません。(^^;
↑の青いパースラインもだいたいこんな感じかな?程度にしか書いてません。笑
ただ、消失点やアイレベルについては知っておくと、とくにアオリやフカンなどの立体への理解が必要な構図には、とても役立つと思いますね。
顔のアオリの描き方
全身のアオリの次は、顔の描き方についてです。
アオリは下から見た構図なので、アゴの下側が見えるようになります。
目は若干カーブがつくようになり、ゆるくハの字のようなイメージですね。
できれば目は平行じゃなく、顔が球体に近い形であることを意識するとより良いと思います。
耳は通常の角度から見た場合と比べて、少し下にあるイメージで書いてみましょう。
フカンのページで紹介したように、ピンポン玉の練習をしてみるとわかりやすいですが、
耳というのは目や鼻がある正面の位置と比べて、少し後ろ側についているので、アオリの角度になると見え方としては少し下側になるのです。
鼻は、フカンと同じように、横顔のラインを意識して書いてみるとそれっぽく見えます。
~アオリの顔を簡単にそれっぽく描くポイント~
- アゴ下が見えるように描く
- 目はできるだけ平行ではなく、カーブ(ゆるいハの字型のイメージ)を意識してみる
- 耳は若干下に、鼻は横顔のラインを意識
個人的にはフカンと比べて、アオリの顔は難しいように感じます。
なんでかっていうとアゴ部分の立体を正しく描くとかわいくなくなっちゃうので、ちょっと自分で修正する必要があるからです。汗
ただ、今回のポイントを意識するだけでもかなり良くはなると思うので、イマイチ描けるようにならない…という方は参考にしてみてください。
難しいときは顎下をしっかり書かなくてもごまかせちゃったりします。目などの顔のパーツを上げて耳を下に下げればアオリに見えますよね。
今回はアオリの角度メインでしたが、フカンについても知りたい方はこちらの内容を一緒にどうぞ~。
アオリ、フカンは立体への理解がやや関わってくるので、通常の角度さえまだかけないときは、無理せず挑まなくてもいいと思います(^_^;)
正直通常の角度もできないのにアオリやフカンを書こうとするのは、足し算・引き算がまだ理解しきれてないのに掛け算や割り算に挑むものだと思っているので、まずは普通の角度の練習をしてからにしましょう~。